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更新日付:2021年8月9日 / ページ番号:C073984
中央区本町東の上町・氷川神社拝殿に「正一位氷川大明神」と書かれた額が掲げられています。
左側に「関思恭 拝書」とあることから、江戸時代の有名な書家・関思恭の書ということがわかります。
関思恭は元禄10年(1697)水戸の生まれ。若くして江戸に出て、当代一の書家と言われた細井広沢の教えを受け、5000人もの門弟を抱えるなど書家として名声をはせた人物です。
本町東・氷川神社の額「正一位氷川大明神」 関思恭肖像、国立国会図書館デジタルコレクションから
寺社などの依頼で額を揮毫することも多かったらしく、今でも多くの寺社にその書を見ることができます。
市内では、他には宮本・氷川女體神社拝殿に掲げられた額があります。
これは、金文字で「武蔵国一宮」と大書され、左側に「東都鳳岡関思恭拝書」と記されています。
緑区宮本・氷川女體神社の額「武蔵国一宮」
他県では群馬県太田市の冠稲荷神社拝殿の「稲荷大明神」額、茨城県かすみがうら市の文殊院山門「豊森山」額、栃木県大子町法龍寺の「如信上人之墓」、東京都新宿区常円寺の「南無妙法蓮華経」塔(渡辺公子の碑)、草加市神明町神明宮の「神明宮」額、東京都港区亀塚公園の「亀山碑」、三重県松阪市の「忘井之道」碑、東京都台東区浅草の駒形堂「戒殺碑」などが知られ、非常に多くの作品を残しています。
おそらく売れっ子の書家だったのでしょう。
関思恭は特に草書を得意として「草聖」と呼ばれましたが、残されている書体を見ると、楷書や行書、隷書など何でもあるようです。
群馬県太田市、冠稲荷神社額「稲荷大明神」 栃木県大子町、法龍寺「如信上人墓」
新宿区、常円寺「南無妙法蓮華経塔」(渡辺公子の碑) 草加市神明町、神明宮「神明宮」
港区亀山公園、「亀山碑」 松阪市「忘井之道」碑
関思恭は明和2年(1766)に没し、文京区小石川の称名寺に埋葬されました。
立地条件から墓石側面の文字は判読できませんが、『遊暦雑記』によれば、「敬得院 釈則善大居士 明和二乙酉年十二月廿九日」とあるといいます。
関思恭墓(右端)、文京区小石川・称名寺
海老名市上郷の有鹿神社拝殿にも関思恭揮毫の額がかかっているという情報をいただき、拝見してきました。
裏面に「寛保甲子春」(1744)や「東都関思恭拝書」という刻銘があるそうです。
関思恭が揮毫したものの中で年代が分かるものとしては最古になりそうです。
海老名市上郷、有鹿神社の額「有鹿大明神」
関思恭に関しての展示はしていませんが、「与野郷土資料館開館記念図録」で触れられています。
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