サイト内検索。検索したいキーワードを入力し、検索ボタンをクリックもしくはキーボードのエンターキーを押してください。
ページの本文です。
更新日付:2022年4月23日 / ページ番号:C085765
博物館や資料館、図書館などに来館される方は、一般的に展示室や開架の書架しか見ることができません。
つまりそれは「表に現れる表情」のみで、裏には一般の方にはご覧いただけない、いろいろな設備や道具、
はたまた忙しく働く職員の姿があります。
もちろん、一般の方にとってはそれぞれの館の「表に現れる表情」が重要ですが、そこで仕事をしている職員にとっては、
バックヤード(裏の面)も重要になってきます。
そこで今回は、「与野郷土資料館の収蔵庫大公開!!」です。
博物館や資料館で展示している資料以外にも、多くの資料がそれぞれの館にはあります。
ちょっとお堅いですが、博物館や資料館の活動の基になる法律は「博物館法」という法律で、その第2条には
「博物館とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む。以下同じ。)し、
展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために
必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」と規定されています。
つまり、博物館は、まず資料を収集したり、保管したりすることが第一の業務で、その資料の保管場所が収蔵庫です。
第二展示室の一角に、下の写真のような扉があり、その先がバックヤードになります。
普段はこの扉は施錠されていて、一般の方の立ち入りはできないようになっています。
この先がバックヤード
収蔵庫や作業室、荷解室があります
この扉を入るといよいよ収蔵庫です。でもその前に、下の写真のような重厚な扉を開ける必要があります。
実際に見たことはないのですが、まるで銀行の金庫の扉のような重くて厚い扉になっています。
収蔵庫への扉(この先が収蔵スペースです)
この扉を入れば、そこが収蔵庫です。
第一収蔵庫は主に美術資料、第二収蔵庫は民俗資料の保管場所になっています。
それぞれの収蔵庫には固定や可動式のラックが備え付けられ、資料が整然と並んでいます。
第一収蔵庫の様子(可動式ラックです)
第二収蔵庫(固定の棚に民具がたくさん収納されています)
一般に収蔵庫の温湿度は適切に管理され、一年を通じて一定の温湿度が保たれるようになっています。
床や壁も特殊な吸湿効果のある材料を使用しています。
第一収蔵庫の床
収蔵庫に入室する際には、私たちはスリッパを履いています。
これは床が汚れるのを防ぐためでもありますが、靴の裏などに付着した「資料にとっての害虫やその卵」が
収蔵庫に入り込んでしまうのを防ぐという大きな目的があります。
第一収蔵庫入口に置かれたスリッパ
収蔵庫に納められている資料は丁寧に梱包されているほか、紙の資料は中性紙の封筒に入れられています。
一般の事務用の封筒は酸性紙で出来ていることが多いため、長い年月の保管には適しません。
また、資料番号等が記入されたタグが取り付けられています。
これは、資料管理のためと、外側から見ても梱包されている資料が何であるかを判別するためです。
第一収蔵庫に収納された資料
資料が整然と並べられ、落下防止用のガードも取り付けられています
第三収蔵庫はネガを収蔵する場所で、ドライキャビネットという特殊なキャビネットが設置されています。
むかし撮影したネガやビデオテープにカビが付着していたという経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか。
ネガは髙湿度に弱く、湿気の多い場所で保管しておくと、カビが発生してします。
ですから、わざと湿度を低くしたキャビネットに収納しているのです。
ドライキャビネットの表示
庫外湿度54.9%(右側)に対して、キャビネット内の湿度は45.5%(左側)になっています
ネガもそうですが、漆の資料は乾燥に弱いため湿度を高くし、鉄製品はその逆で湿度を低くして保管するなど、
資料の材質や性質に応じて保存環境を調整する必要があります。
博物館にとっては、資料の存在は最も重要な要素です。資料が存在しなければ、展示も研究もできません。
資料の適切な保管を担保し、貴重な資料を安定的に後世に伝える役割を担っているのが収蔵庫ということになります。
普段は見ることのできない収蔵庫ですが、バックヤードにはこのような工夫がされています。
前
(その34)「宇宙飛行士若田光一さんを遡ること200年、空を見上げた与野の天文研究家-稲垣田龍」
教育委員会事務局/生涯学習部/博物館
電話番号:048-644-2322 ファックス:048-644-2313
表示モード : パソコン版スマートフォンサイト